見えないから問題がないのではない

本日は床下の定期点検で藤枝市内にあるお宅に伺いました。

シロアリの発生や配管等の水漏れはありませんでしたが、昨年9月に起きた大雨の時に床下浸水をしたとのことで、その跡が基礎にくっきりと残っていました。

その跡からすると20cm近くは浸水していたと思われます。

束柱や土台などの木部は現在は乾いて見えましたが床下の土壌は今も粘土状のように濡れていました。

これだけの湿気があると床下で結露を起こすことも考えられ、土台や束柱、床板の劣化にもつながることや、シロアリやムカデ、ダニなどといった害虫の発生も高まってしまいます。

床下の環境改善としては、床下に風を通す床下換気扇や湿気をコントロールする調湿材、それに土壌の湿気が上がらないようにする防湿ビニールなどを敷く方法があります。

しかし、大雨のたびに浸水するような土地は、調湿材や防湿ビニールでは床下内の水分を保ってしまうことも考えられるので、環境を考えて対策を慎重にする必要があります。

木造住宅の寿命を考える時、一番大切になるのが水対策だと思います。

多くの劣化をした住宅を見てきましたが、その殆は湿気による腐りやシロアリによる被害なんです。

最近の住宅は耐震性能や断熱性能が重視されてきていますが、その構造が湿度が高くて寒暖のある日本の環境にどこまで考えられているのか少し心配になります。

というのもシロアリに関しては少し甘く考えているのではと感じるからです。

これまでも住宅は様々な改善がされてきましたが、未だにシロアリの被害は絶えていないからです。

また最近流行りの高断熱・高気密住宅は、光熱費を抑えられ快適な暮らしが手に入る理想的な家だとも言えます。

しかし、気密を高めるということは空気が淀みやすいということでもあるので、ダニやカビに最適な環境を提供しているともいえます。

夏のスーパーでトウモロコシを購入をしてビニール袋に入れて帰り、そのままの状態で少し置くとビニール袋の中が濡れているなんて経験をしたことがあるのではと思います。

さらに時間が経つと菌が繁殖して腐りが始まってしまいます。

気密をとるということはビニール袋の中と同じ状態なのです。

また、住宅に使用される建材は発がん性物質と言われるホルムアルデヒドなどの規制がされていますが、怖いのは絨毯やカーテン、ソファなどの家具類です。

ネットで海外のものを購入する時代なので、どんな化学物質を使用しているか分からず室内に持ち込んでしまうと知らないうちに化学物質過敏症にもなりかねません。

住宅は人生で最も高価な買い物です。

そして、家族が笑顔で暮らす大切な場所です。

人は目に見えるものには注意を払いますが、問題の多くは見えないところから始まります。

浸水から日が経ち寝に見えないため忘れてしまいますが、目に見えない床下ではまだ問題を引き起こす芽が残っているのです。

目に見える大きなダメージとならないように、健康診断ではないですが、年に1度は家の状態を見ることが大事な気がしています。

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